旅してどこにいくんだろう。
すべてが終わるころには心の整理は終わってるだろうか。
永遠に終わらなきゃいいのに。

自制心が拷問を受けているように苦しいと感じた。










Sweet Sweet Chocolate











ブラッシュを追って、僕達は旅に出た。
親の敵であるブラッシュを追って。
出くわした時、本当に殺せるかどうかはわからないけれど。
それでも、旅に出た。
「・・・・・・・−ト」
空を仰いでいた。
「おい、オルタネート」
「――――――え?」
「え、じゃないだろう。もうすぐ街だ。奴がいるかもしれないぞ」
「あ、ああ。」
振り向いたところで帽子が飛びそうになって、いそいで手でおさえた。
手綱をひいて馬を操る。縄の感触だけが確かで、虚ろな目線はいつも彼女。
気づけば視線が一人歩きしている。
まったく何やってるんだか・・・策士ともあろう僕が心理状態の管理も出来ないなんて。
「なぁ、オルタネート」
「何?」
「今度こそ、居るといいな」
「なにが」
「ブラッシュ。」
「・・・」
答えずに、ただうつむいた。
フィノは不審そうに見ていたけど、でもやっぱり答えることは出来なかった。



街に入って、とりあえず馬を停め荷物を預けて、宿屋探しついでに街をぶらついた。
もちろん名目はブラッシュを探すということだけども。
だけど。
「なぁっ、オルタネート!アレは何だ?」
フィノは街にある看板の一つを指さした。
西洋系の街がそんなに珍しいのか、知らないものを見ると無頓着に駆け出していくのだ。
どこかミンチャオに似た笑顔をして。
まぁ、そんな彼女を見るのも悪くないけど。
「ははは、あんたの彼女元気だねぇ」
「おわっ」
花屋のおばさんがニコニコしながらこっちを見ていた。
「・・・綺麗な花だな」
「今年は温かくて育ちが良くてねぇ。どうだい、彼女に」
僕は首を振った。
「そうかい、残念だねぇ。」
必要以上に自然を破壊することを嫌うフィノにとって、花屋は良くないだろう。
僕は花屋を後にしてフィノのところに向かった。
「オルタネート」
「今度は何を見てるんだい?いいかげん宿を見つけないと・・・」
「この匂いは何だ?」
ひくひくと匂いの元を探ろうと頑張るフィノ。
「ああ・・・それは」
「見つけたッ、ここだ!」
たどり着いたのは、一軒の小さなケーキショップ。
「なぁ、オルタネート・・・」
ちょっと申し訳なさそうな、でも好奇心で溢れた目で僕を見上げる。
街へ入る前の殺意はどこへ。
「・・・いいよ、入ろうか」
フィノは嬉しそうに店のドアを押した。
店内にはかわいらしくデコレートされたショートケーキがショーケースに並んでいる。

チョコレート

モンブラン

レアチーズ

どれも自分は知ってる味だけど、インディアンには無縁の食べ物。
「フィノって甘いもの好きなの?」
「・・・甘い、が私には判らない」
「そっか」
菜食主義だからか、インディアン育ちだからか。確かに知らなくて当然だ。
「食べてみたい?」
「・・・い、いいのか?」
「あぁ、いいよ」
ちょっとカレカノ気分。
「どれにしようかな・・・」
「チーズ系はクセがあるからチョコ系にしたらどうかな」
「お、おぅ・・・」
ケーキを選んでいるフィノを見てると、ああやっぱりフィノも女の子なんだなぁってしみじみ思う。
そうじゃなきゃ女性とみてないってことは全然無いけどね。
「なぁ、これとこれどっちがいいと思う」
チョコレートムースとフルーツケーキ。
「私には決められないんだ。選んでくれないか。」
「っあー・・・・」
これは結構難しいぞ。
ちょっと考えた。
「両方買っちゃえよ」
「え」
「ていうかおごってあげるよ。」
一般のコイビトってこういう会話をするのかな。



「すまないな・・・二つとも」
「いいよ、宿に帰ってからゆっくり食べなって。それより宿探し。」
そういやここらへんって宿が無い。
全く見ないわけじゃないが。
妥当なレベルの宿がないのだ。
「どこも高いな・・・都会はこれだからわからない」
「裏路地とか、もしかしたらあるかもしれないな」

案の定、あった。

「ホント都会ってわからない」
部屋の一室でフィノが呟いた。
借りた部屋は簡素で、ベッドが二つ、木製のテーブルが一つ、椅子が二つ。
窓にかかるカーテンは古びていて。
馬と荷物をひきとって、僕はベッドの一つに倒れこんだ。
「でも見つかってよかったじゃないか。僕はもう野宿は嫌だからな」
「そうだな。やっと汗を流せる」
「・・・」
「オルタネート」
「何だよ」
「ケーキ」
「・・・食べればいいじゃないか」
「そうじゃなくて」
(何だってんだよ・・・///)
この気まずい雰囲気が何とも言えず嫌だ。
ただでさえ抑えきれないほどの欲があるってのに。
「一緒に食べようと言っているんだ」
「フィノが食べたいんじゃなかったのかい」
「だから、半分ずつ!」
一度で二度おいしい。
「ホラ、甘いものは太る、とか言うだろう!太って敵討ちに支障が出ると困る」
「すこしくらい肉付きがよくなっても構わな」
「阿呆か」
ごく軽く殴られた。下手に手を出しゃゾディアックをつきつけられるな。
「あっ、でも風呂はいってからのほうがいいか」
「そうだね」
フィノの風呂上り・・・色気ありそうだなぁ。
ていうか何で一緒の部屋なんだ。
「ねぇ、フィノ」
「何だ」
「僕と一緒の部屋でよかったの?」
「・・・仕方ないだろう。二人部屋しか空いていないのだから」
「そりゃそうだけどさぁ」
男と一緒に寝るってさ、どうとも思わないのかな。
フィノは何を今更というふうに荷物の確認をしていた。
そりゃ野宿とかで一緒に寝てたりするよ?
でも一つ屋根の下っていうか一緒の部屋にさぁ、年頃の男と女ってさー・・・
「それに、私はお前相手に素手で勝つ自身はある」
「何かそれムカツク」
マジで犯したろか。
「とにかく!風呂と夕飯の後に一緒に食うんだからな!」
「はいはい、分かりましたよ」

日が、暮れる。

太陽の光の代わりに目を指す、遠くのネオンの光。
「オルタネート、あがったぞ」
濡れた髪をタオルで拭きながら、フィノが戻ってきた。
こうやってみるとけっこう艶かしいんじゃないか。
黒い肌から滑る雫を舐めとりたいとか考えた自分。
・・・やる前に撃たれるだろうけど。
「オルタネート!」
「わ」
いきなり目の前にフォークを突き出された。
フォークの先にはフルーツケーキの断片。
「食え」
「食えって・・・ったく、びっくりしたなー」
「うるさい、口を開けろ」
ゆっくりと口をあけるとほどなくして甘い味が口の中に広がった。
「うまいか」
「美味しいよ。ってか僕に毒見をさせるなよ」
「別に毒見じゃないが・・・うまかったのか。どれどれ・・・」
とフィノも一口。
・・・ん?
「ねぇフィノそのフォーク」
「何だ」
「僕が口つけたやつ」
「だから何だ」
インディアンには間接キスという概念が無いのか。
「オルタネート、顔が赤いぞ?」
「う・・・」
「大丈夫か」
「誰の所為だと・・・」
・・・独りよがりなのかなぁ。
「さっきから何だ。変だぞお前。」
呆れたような声。

「・・・オルタネート?」

無意識に、僕はフィノの腕をつかんでいた。
もう片方の手でチョコレートケーキをガブリ。
そしてそのまま

「やめっ・・・・オルタネートッ・・・!!」

僕はフィノの口を僕自身の口で塞ぎ、チョコレートケーキを流し込んだ。 抵抗するフィノを何とか押さえつけて。
「ッ!!」
飲み込んだのを確認して、僕は手を離した。
フィノは口を手の甲でぬぐって、僕をにらみつけた。
殴られないよかマシかもしれない。
「何の真似だ」
僕は何も言わなかった。
ていうか言えなかった。

フィノは踵を返して部屋から飛び出していってしまった。
荷物があるからいずれ戻ってくるだろうけど。


でも今は




この顔の熱さをどうにかしたい。






裏へ続く(裏かよ!!!


アトガキ→オルフィノですよオルフィノ。
神楽さんごめんなさい、エロゥのほうはまだ・・・!!!
でも直接チュー(何て表現だ)は夢小説でもあんまやんないから恥ずかしくて(この程度でYo!!)
ていうかえとせとら!!!
ヤバイ。ハマッタ。牧ミンいいよ!!!なり茶したよ!!!受けたよ!!!(日記にも書いたけど)
戦士系のフィノと、内心野獣な策士(オルタネート)
萌・え!!
もちろん牧ミンも大好きですが、この二人はわりと書きやすいです(初書のくせに)
ブラッシュなんて眼中にありません。
裏は時間かかりそうだなぁ。
センター試験までに書けるかな(勉強しろ

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