『降りしきる雨の中で』


突然の雨だった。
視界を遮るほどのそれに、ミンチャオ達は偶然見つけた穴に飛び込んだ。
岩穴は二つ。


オルタネートが飛び込んだのは、フィノと同じ場所だった。






自分の袖を手で拭うという無意味な行為をしながら、
目の前の彼女に尋ねる。
「大丈夫か、フィノ?」
「大丈夫だ。…ミンチャオ達はもう一つの方に入ったんだな。」
「そうだと思うよ。ここからじゃちょっと見えないけど…」
二つの岩穴は比較的近い位置にあったが
角度の問題で、入り口からもう一つは全く見えなかった。
オルタネートはそこから少し顔を出してみる。
「あ。」
そこからは丁度バスカービルが顔を出していた。
何か口を動かしているが、雨の音で全く聞こえない。
聞こえない、とジェスチャーするとバスカービルは指を四本立てて、
その両手で大きな丸を作った。
―――四人とも無事だということだろう。
オルタネートも指を二本立て―――要はVサインをして、
その後両手で丸を作った。
とりあえずそれで連絡は終わり。
お互い手を振って岩穴に戻った。
「あっち全員無事だってさ。」
「そうか、よかった…。」
胸をなで下ろすフィノにオルタネートは微笑む。
「ヤギのこと?」
「あぁ。…だめだな。ヤギはどんどん成長しているのに…
いいかげん心配するのもやめないと。」
「しようと思って心配してる訳じゃないだろ?
大切なら心配になるさ。それに悪い事じゃないんだし。」
「…そうか?」
「そうだよ。」
「そう、か…。」
どさくさに紛れて肩を軽くポンポンと叩いた。
…役得だ。
未だ戸惑ったままの彼女にとりあえず奥に行こうと促した。






雨は音を立てて降り続いていた。
まだしばらく止む気配はない。






「オルタネート。」
「何だい?」
「寒くないか?」
「大丈夫。フィノが作ってくれた服のおかげかな。」
「そうか。」
それ以上の言葉はない。
オルタネートは隠れて苦笑する他なかった。
フィノにとってオルタネートは親類―――弟のようなものなのだろう。
それはそれで嬉しいのだが、
つまりはヤギと同じ種類の情を抱かれているということだ。
「…オルタネート。」
「何だい?」
しまった。さっきと同じやり取りになってしまった。
どうも自分たちは会話のバリエーションが少ない気がする。
そんなものを求めてどうなるわけでもないが。
「何でこっちに来た?」
「だってフィノが入ってったから。」
「…?」


―――しまった。


今度こそまずい。さっきの比ではない。
つい何も考えずに本当のことを言ってしまった。
どうにも彼女の前だと気を張るということを忘れてしまう。
オルタネートは慌てて口を塞いだが、
発言を取り消すことなど出来やしない。
しかし、
(…深い意味には取られないか、どうせ。)
すぐにそう思い直した。
「フィノは寒くない?大丈夫?」
「………。」
何故かフィノからの返事がない。
「…フィノ?」
もう一度呼ぶと、今度は一気に顔をあげた。
その目で、まっすぐ見てくる。
「何故だ。」
「え、何が?」
「だから、何故私がここに入るとお前も来るんだ。」
一瞬理解出来ずに、フィノの言葉をもう一度頭の中で繰り返した。
そして、オルタネートは赤面する。
「いや、だから、ほら、何て言うか…」
「はっきり言え。」
「だから…えっとぉ………。」


…だって、何て言えば君は理解してくれるんだよ…?






「…あれ、フィノ?」
「何だ。」
「いや、僕の気のせいかもしれないんだけど…」
「何だ?早く言え。」
「…顔、赤くない?」
「…!!!」







あとがき

オルフィノ万歳ですねv
六慶さんのオルフィノが
ものすごく萌え度高くて大好きなんですが…v

いまいち萌えきらない(なんだそれは)オルフィノですが
よろしかったらもらってやって下さい。

相互リンクありがとうございました!

***
部長さまから相互リンク記念にオルフィノ小説をいただきました。
藤月様の小説はもう萌え処満載でウハウハですよ(ハァハァ
あ、名前のほうは「六慶」てなってますが、そうなんです。
HN替えようかということになってます。ややこしくてすみません。
ていうか。
オルフィノ萌え・・・!!!(グッ
ありがとうございましたーvvv

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